THE TALE OF...
 
~snigle malt whisky~
 


神々の微笑

「それでは一応この書類にサインをしてもらいたいのだが・・・」
わかりましたと私は答え、指定された場所にサインをした。
「これであなたも我々と同様に『組織』の人間になったわけですが、あくまでも実行部隊であってその行動は我々の管理下におかれているということをお忘れにならないようにお願いしますよ。
まぁ、簡単に言えば、絶対服従であり命令には何があっても逆らえないということです。詳しいことはこの冊子に書いてありますので、一度目を通しておいてください」

そういったあとに、ライトブルーの表紙に黒い文字で「地球環境改善法及び施行規則」と書かれている冊子を受け取った。

第一条(総則)
全ての人類は心身ともに健やかに生まれ、かつ育成されるように努めなければならない。また、等しくその生活を保護され、愛護されなければならない。

第二条(職務)
本法律に定める職員は全体の奉仕者であり、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。
このためには職員の身分は尊重され、その待遇の適正が期せられなければならない。

第三条(政治)
良識ある職員たるに必要な政治的教養はこれを尊重しなければならない。

本法律に定める職員は特定の政党を支持し、またはこれに反対する為の政治的活動をしてはならない。

第四条(宗教)
良識ある職員たるに必要な宗教的教養はこれを尊重しなければならない。

本法律に定める職員は特定の宗教を信仰し、またはこれに反対する為の宗教的活動をしてはならない。

第五条(職員に係る倫理的原則)
職員は職務上知り得た情報について、一部に対してのみ有利な取り扱いをするなど、不当な差別的取り扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。

職員は常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益の為に用いてはならない。

第六条(職務に専念する義務)
職員は法律に特別の定がある場合を除くほか、その勤務時間及び、職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該団体組織がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

第七条(信用失墜行為の禁止)
職員はその職の信用を傷つけ、または職員の職全体の不名誉となるような行為をしてならない。





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私と同じようにこうして組織に入った人間はどれくらいいるのだろうか?
この国だけでも相当な数がいることは容易に想像ができる。
なんせ今私がやっている仕事は少人数制では効果がないのだ。
そして本当に地球規模でこの計画が実行されているとしたら、相当な人数になることは間違いない。
組織に選ばれこうして仕事をしているが、私の仕事内容は神の領域にまで到達するほどのものだ。
こんなことが人間の判断だけで実行されていてもいいのだろうか。
しかし、この地球上に存在する全生命を守る為ならば私自身が神にならなければいけないのだろう。
私が神ならば、世界中に私と同じ仕事をしている人間はみんな神になってしまう。
いずれ世界にも終幕の時が訪れ、何もかもが消え去る審判の日が来るのだろうが、それを少しでも遅らせる為の組織であり、神々なのだ。
あとどれくらい、神を血の色に染め上げればいいのかしらん。
悩んでいても仕方がない。
とにかく、目の前にある死体の処理をしなければならないのだ。



4月23日(日)03:22 | トラックバック(0) | コメント(1) | THE TALE OF... | 管理

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 by xnycd9tw0a | Mail | HP | 8月18日(金)19:37


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