失われた時間2 |
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| 「次の標的はこれです」 マネージャーから標的の写真や情報の入ったファイルをわたされた。私がその書類に目を通している間に、その書類に書かれていることをマネージャーが大まかに説明するのだ通例となっていた。 しかし、私が書類に目を通している間、彼は何か資料を見るわけでもなく、私のほうをじっとみながら標的についての説明をしている。だいたいファイルにはA4サイズの用紙が5~6枚入っているのだが、彼はその内容を全部覚えているのだろうか。 「それでですね、書類の最後にも書いてあるのですが、今回は特別な任務になります。」 私は書類を数ページおくりながらあわてて最後に目をやった。
[今回は標的の保存を最優先とする]
「・・・保存ですか?」 「えぇ、あなたはいつもどおり標的を処分してもらいます。しかし、今回は殺してしまってはいけません。まず、相手を動けなくするのがあなたの仕事です。」 「それだけですか?」 「はい。今回あなたはそれだけでいいのです。」 「でもここには標的の保存って・・・」 「それは我々組織の別働部隊が行います。」 「でも、保存だなんて・・・」 「あなたは余計なことを考えなくてもいいのです。我々組織から与えられた任務を、ただこなしてくれるだけでいいのです。何も気にすることはありません。保存担当の部隊もあなた同様その道のプロフェッショナルです。迅速、かつ正確な仕事をしてくれるはずです。あなたは何も心配することなく、後のことは彼らに任せておけばいいのです。ただ、今回は連携が重要となります。ですから、あなたには後からやってくる部隊が仕事をしやすいように、標的を生かしておかなければなりませんが、標的に逃げることができるような体力を残したままにしておくわけにはいきません。そこがあなたの腕の見せ所といいますか。あ、でも別働部隊はすぐにやってきます。しかし、その部隊とあなたが接触することは許されていません。あなたが標的を沈黙させた後、私が現場まで出向きます。そして、その場は私の管理下に置かれます。その時点であなたは現場を立ち去ってもらいます。」 「いえ、私はそんなことが聞きたいのではなく、なぜ保存を」 「では今回のブリーフィングは以上です。あなたはいつものようにきちんと仕事してくれればいいわけですから。くれぐれも余計なことは考えないように。」
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5月4日(木)23:07 | トラックバック(0) | コメント(1) | THE TALE OF... | 管理
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by 0h09hv376z | Mail | HP | 8月18日(金)19:38
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